無垢な瞳
いよいよ、最後から3つ目の演目、六の四の「走れメロス」が上演開始の合図だ。

ぼくたちはこの合図と同時に、客席を離れ、舞台裏の控え室代わりの倉庫で出番を待つ
ことになった。

六の四の演目を実際に見ることはできない。

会場から聞こえる声でその成功の是非をはかるしかなかった。




僕たちは全員揃いの四つ葉のクローバーがついた黒いTシャツを着て、緊張と戦っていた。

お調子者のユウキもさすがに上がっているようだ。

いつものおふざけは出てこない。
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