無垢な瞳
「ちょっと君たち、席につきなさい」

教頭先生が教壇に立った。



「なんで、教頭先生なわけ?」

みんな渋々席についた。



「先生。ケンと芝山先生はどうしたんですか?」

「そうだよ、せっかくうちら優勝したのに、なんか中途半端」



教頭先生の表情は険しかった。



「私から、詳しい話を言うことはできないから、今日はこのまま帰りの会をして、みんな

早く帰りなさい。いいね」



教頭からでは伝えられないほど重大なことが起こったのだろう。



アキは身を硬くして、ケンの身を案じていた。



「ケン、大丈夫よね。私の心配なんか笑い飛ばすわよね」
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