無垢な瞳
第三章

僕はインターネットのiタウンページを調べていた。

父の家が東京近郊のK市にあることは母から聞いていた。

もしかしたら父の名前で電話番号の登録があるかもしれない。

そう思って調べることにしたのだ。



『島野大介』で入力すると、1件だけ登録されていた。

K市A町の住所だった。

僕はこの電話番号が本当に父のものかどうか、確認するために意を決した。

日中電話をすればおそらくあの中年女性が出るはずだ。

あの声は忘れようと思っても忘れられない。

あの女が電話に出れば、そこが父の居場所ということになる。

僕は番号を慎重に一つ一つ押した。
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