無声な私。無表情の君。
そんな事はさておき、下校。下校。
勿論、愛と一緒だ。
けど………。

なんか異様に俺の顔を見てる気がする……。
き、気のせいだよな……。
いや、絶対に見てる。見てるよな。

こんな事思っちゃあ何だか怖いです。
こんなにまじまじ見られたのは初めてです。
すげぇ、恥ずい。
もしかして……

「……なんか、ついてる?顔に?」

聞いてみたら今度は愛の顔が真っ赤になった。
そんでもって謝罪のポーズ。
まるで昨日の俺だった。

顔には何もついていないらしいから良かった。
ひとまず安心。
あれ、俺って今日安心したの何回目なんだ?
逆に考えると今日、何回焦った?
今日も色々あったなー。
何だかんだで。
あれ?いつもは平凡で変わらない毎日って思うはずなのに……。
色々あった。なんて思えるようにもなった。
こんなのを進歩っていうのかな…?

思えば日常に色が付き始めた今日と昨日。
いつもは気づかないだけでちゃんと日常にも1つひとつの個性があるんだ。
今日知った。今知った。
そして、こんな日々が続くなら、平凡な毎日がたまらなく愛おしくなってくる。
こんな日常が俺は好きだ。

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