無声な私。無表情の君。
何か紙がある。
誰かの忘れ物か……。
ヒョイっと1枚の紙を持ち上げる。
それは[入部届]だった。
愛の物に違いない。

確信した俺は愛に渡した。
ついでに「今日、書いてくれるよな?」
とか後を追うように言った。

愛はなんでもないかのように頷いてくれた。

急な返事にたまらなく嬉しくなって「ありがとな、嬉しい」って本音が出てしまった。
本当は抱きしめたかった。なんて事は絶対に誰にも言えない。
いや、絶対に言わない…。
他の部活の奴らもいるし。

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