わきやくれんあい
窓辺の1番後ろ
退屈そうに本をめくる


私、川野由貴だ。

これと言って何か自慢するようなこともない、高校2年生。

普通に勉強して
普通に進学して
普通に友達がいる

よくいる高校2年生。






そんな私は、恋をしている。
直球に言うが、同じクラスの真田優弥君である。

かなりのイケメンで
運動神経も良く
男女平等に優しい。


文句の付け所が無い男子だ。


所謂、『主役』


物語の主人公。

シンデレラで言う、王子様。

そんな言葉が似つかわしい彼。


出来ることなら、私が彼のシンデレラになりたい。


だが。
彼には既にシンデレラが居るのである。


同じクラスの、南谷あきほ。

彼女とは中学から同じクラスで
ぶっちゃけ、めちゃくちゃ仲が良い。
親友だ。

中学から見てきた。
あきほの美貌、優しさ、頭の良さ。

まさに真田君とはお似合いのカップル。
だけど、遅かった


動き出した心を止めるには
既に遅かった。
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