冷血上司の恋愛論
「えぇ、恥ずかしながら」


お腹に手を当てていとおしそうな顔。対する旦那はと言うと、藤井を一瞬見て視線を気まずそうに逸らした。


成る程。見えてきた相関図。


恐らくこの嫁は、旦那の不祥事を知らないってところか。


藤井を振った田所が、うまく誤魔化していたのか、女が鈍感だったか。


「そうですか。それは、おめでとうございます。ですが、先ほどのお話しだと病院ヘ行ってらしたとのことですよね。ご無理はいけません」


「アハハ、ありがとうございます。でも、たいしたことないんですよ。それなのに、ちょっと出血したら旦那のほうが慌てちゃって。病院行くほうが大変なのに。フフフ」


知らないことが罪って言葉があったよな。まさしく、今は、その状況じゃないか!


言われた旦那に目をやれば、藤井を見てから、首を横に振った。


「奥さん、今日は、体調を考慮して、こちらを宿題として置いていきますので。次回までに宜しくお願いします」




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