冷血上司の恋愛論
さっきよりも優しく女の本能を呼び覚ますように。


俺を睨み付けていたくせに、キスはやけに官能的で俺を熱くさせる。


「な、なに、するの、よ」


既に立っていられないくせに。
感じていたくせに。
息も絶え絶えのくせに。


女の口は変わらず挑戦的で、俺の口角が上がる。


「ちょっとだけ付き合ってくれない?部屋で一杯も一人じゃ寂しいし、これも何かの縁だと思って、どう?」


骨抜きにした女の顔が、面白いように変わる。
上気した美人な顔が眉間に皺を寄せている。


「誰が見ず知らずの変態について行くっていうのよ!冗談じゃないわ」


「そう。それは残念。ここからでもいい景色が見られるが部屋の露天風呂はまた違っていいかと思ったんだが……」


じゃあなと、あっさりと引き下がりこの火照った身体をどうしようかと考えていた時、

「聞かせてよ。部屋に露天風呂があるのにここに来た理由を」

女の声が背後から聞こえた。
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