冷血上司の恋愛論
「痛ェ。満更でもなかったくせに」


女を睨み付けてやれば同じように睨み返す。


気の強ェ女。
スゲー俺の好み。


「だいたいアナタね!3時から4時は清掃で入浴禁止。知らないなんて言わせないわよ、入り口に張り紙してあるのだから!」


「俺が急遽とんぼ返りしてトラブル対処したこと知っているだろ?女将が深夜に到着した俺を気遣って清掃したから入浴していいって言ってくれたんだよ。どうせなら…って、こっちにしたことは悪いと思うけど、まさかドンチャン騒ぎした後、4時に温泉入りにくる女がいるとは思わないだろ、普通」


「…………」


睨み付けていた女の顔がキョトンとした顔に変わった。


「意味がわからない……ですけど?」


嘘を言っているように見えず、俺はあることを思い出した。


「あぁ、確か女将が出張の奴らの部屋をネット予約で埋めたって言っていたな。もしかして、」


言い切る前に再び女の口を塞いだ。
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