冷血上司の恋愛論
「あぁ、只の興味。仕事は完璧にこなして、頭打ちだった我が社を急成長させて、プライベートも結婚こそしていなくても楽しんでいるからね」


「そうですか!あれは、楽しんでいるというよりも、逃げているだけのヘタレなんですけどね。あッ、足の裏。足の裏弱いですよ。擽ると、暫くのた打ち回ってますから」


「いや、もういいよ。足の裏は、誰だって擽ると笑うし」


部長とのやり取りに、耳を集中させられた。


部長の呆れた、いや諦めたと言っていいかもしれない専務の弱点についての会話。


次々と出てくる専務の密かな情報に眉根を寄せた。


飼育しているのを見に部屋に入ったのか。
足の裏を触ったことがあるくらい親しいのか。


自分がこんなにも嫉妬深くて、一人の女に固執するということを知らなかった。


笑いながら、部長に勧められる酒をがぶ飲みしているにも拘らず、全く来た時から変化のない藤井をたまに見つめてグラスを傾けた。
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