冷血上司の恋愛論
「なんだね?藤城が見ると気になるな。それとも、藤井を見ていたのか?」


酔いが回り始めた部長と何度かそうしているうちに目が合ってしまった。


「お二人です。部長の声が大きいのと、内容で女子社員が聞き耳立ててますよ。少し自重したほうがよいかと思いまして」


よくもまあペラペラと並べられる。
俺ってこんなに口から出まかせが言えたんだ。


新たな自分を発見して驚く俺の向こうで、


「そうか。すまんすまん」


ガハハと注意した声量を気にすることもなく笑う部長につられて口角が上がる。


「部長。声!気を付けて下さいって言われたばっかりなのに、うっかりさんですか!?」


ほぼ同時に俺と部長は咳き込んだ。部長にいたっては、口からアルコールが勢い余って飛び出している。


「んもう!部長、汚ないです。ちゃんと拭いて下さいね」


酔っているとはいえ、部長にここまでハッキリ言えるのもすごいと、俺だけでなく周り一同、賞賛して見ていた。




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