冷血上司の恋愛論
「なら、付き合ってくれないか?」


もう少し一緒にいられる。そんな口実が出来たんだ。堂々と、藤井を走ってきたタクシーに押し込んだ。


明日覚えていなくても構わない。


初めて会った時のように、強引に攻めるつもりもない。


ただ、酔いのせいにしてもう少し藤井の体温を感じていたいんだ。


そう思っていたのは本当だが、そんな俺を嘲笑うように、俺の肩に寄りかかり寝息をたてはじめた。


まさか本当に体温だけを感じる結果になるとは思わなかった。


田所の言葉通りになったことが腹立たしい。
< 45 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop