スセリの花冠
「はい!よろしくお願いします!」
やったわ、仕事が見つかった!
セロとしては小躍りせんばかりの愛世を見て嬉しく思う反面、ディアランには睨まれたくないのが心情だ。
「愛世。ディアラン様には俺の紹介だって言わないでくれよ」
「わかってる!ありがとうセロ!じゃあまた明日ね!」
仕事が見つかって嬉しくて仕方ない。
愛世は希望が見えた気がしてウキウキしながら帰りの道のりを急いだ。
****
宿舎でセロと別れ、ディアランの屋敷へと向かっていると、愛世は最初にアルファスと出会った幅の広い廊下へと出た。
廊下の両脇にそびえ立つ列柱は、太陽に照らされて長い影を作っている。
……なんて素晴らしいのかしら。
ああ私、本当に異世界にきてしまったんだわ。
胸が一杯になった愛世がそう思った直後だった。
「……ほう。これはこれは近衛兵隊長ディアラン殿のご客人ではないか」
ビクッとして声のした方を見ると、大理石の廊下の端……女神像の台座に身を預けたアルファスが、腕を組んでこちらを見ていた。
瞬時に、愛世の脳裏に昨夜の記憶が甦る。
思わず俯いた愛世を目の端に捉えると、アルファスはユラリと身体を起こして歩を進めた。
「……っ」
やがて愛世に近づいたアルファスは真正面から彼女を見下ろし、腕組みをして侮蔑の表情を浮かべた。
やったわ、仕事が見つかった!
セロとしては小躍りせんばかりの愛世を見て嬉しく思う反面、ディアランには睨まれたくないのが心情だ。
「愛世。ディアラン様には俺の紹介だって言わないでくれよ」
「わかってる!ありがとうセロ!じゃあまた明日ね!」
仕事が見つかって嬉しくて仕方ない。
愛世は希望が見えた気がしてウキウキしながら帰りの道のりを急いだ。
****
宿舎でセロと別れ、ディアランの屋敷へと向かっていると、愛世は最初にアルファスと出会った幅の広い廊下へと出た。
廊下の両脇にそびえ立つ列柱は、太陽に照らされて長い影を作っている。
……なんて素晴らしいのかしら。
ああ私、本当に異世界にきてしまったんだわ。
胸が一杯になった愛世がそう思った直後だった。
「……ほう。これはこれは近衛兵隊長ディアラン殿のご客人ではないか」
ビクッとして声のした方を見ると、大理石の廊下の端……女神像の台座に身を預けたアルファスが、腕を組んでこちらを見ていた。
瞬時に、愛世の脳裏に昨夜の記憶が甦る。
思わず俯いた愛世を目の端に捉えると、アルファスはユラリと身体を起こして歩を進めた。
「……っ」
やがて愛世に近づいたアルファスは真正面から彼女を見下ろし、腕組みをして侮蔑の表情を浮かべた。