スセリの花冠
あの赤色のマントは…近衛兵隊達だ。
ということは……ここはもしかして……。
愛世は早足で建物に近づいた。
「おう!アイセ!」
その時、聞き覚えのある大きな声が耳に飛び込んできて、愛世は思わず目を見開いた。
ディアランの部隊の近衛兵、セロである。
「何してるんだ?!こっちに来いよ!」
愛世はあの野営の夜以来、すっかりディアランの部隊の隊員と仲良くなっていた。
どうやら仕事上がりらしい。
愛世は思いきってセロに尋ねた。
「セロ。私、仕事を探してるの」
「仕事?」
セロが不思議そうに首をかしげ、愛世は軽く頷くと続けた。
「うん。ディアランは反対みたいだけど、お世話になりっぱなしは気が引けるの。私、この服も靴も……ディアランにお金を払ってないの」
するとセロは、
「そういえば宿舎の掃除係のリリアが身重なんだ。代わりがいないから産むギリギリまで休めないとかで大変だって聞いたぜ」
たちまち愛世の顔がパッと明るくなる。
「ほんとう?!セロ、紹介して!」
***
愛世はセロに連れられ、掃除婦長に会うことが出来た。
リリアの代わりに雇ってほしいと申し出た愛世に掃除婦長はにっこりと笑うと、
「そうかい、城に上がったばかりかい。まあ、セロの知り合いなら問題ないよ。明日から働いてもらえるかい?」
ということは……ここはもしかして……。
愛世は早足で建物に近づいた。
「おう!アイセ!」
その時、聞き覚えのある大きな声が耳に飛び込んできて、愛世は思わず目を見開いた。
ディアランの部隊の近衛兵、セロである。
「何してるんだ?!こっちに来いよ!」
愛世はあの野営の夜以来、すっかりディアランの部隊の隊員と仲良くなっていた。
どうやら仕事上がりらしい。
愛世は思いきってセロに尋ねた。
「セロ。私、仕事を探してるの」
「仕事?」
セロが不思議そうに首をかしげ、愛世は軽く頷くと続けた。
「うん。ディアランは反対みたいだけど、お世話になりっぱなしは気が引けるの。私、この服も靴も……ディアランにお金を払ってないの」
するとセロは、
「そういえば宿舎の掃除係のリリアが身重なんだ。代わりがいないから産むギリギリまで休めないとかで大変だって聞いたぜ」
たちまち愛世の顔がパッと明るくなる。
「ほんとう?!セロ、紹介して!」
***
愛世はセロに連れられ、掃除婦長に会うことが出来た。
リリアの代わりに雇ってほしいと申し出た愛世に掃除婦長はにっこりと笑うと、
「そうかい、城に上がったばかりかい。まあ、セロの知り合いなら問題ないよ。明日から働いてもらえるかい?」