「お前は俺のモノ」【完結】
「…え?」

「一時間寝る」

「寝るならベッドに」

「ここでいい」

「………」


私が何も出来ないから、よくないんだけど。

そう思うけど、何も言えない。


ほんの数分で彼は眠りに落ちたのか、寝息を立てている。


サラサラな髪の毛。
その髪の毛を一度上から下へと梳かす。


きめ細かい肌。
整った顔。

あどけない寝顔。

普段、あんな言葉を話す様にはとてもじゃないが見えない。


一時間、何しよ。
テーブルの上にある参考書が目につく。
だけど、届きそうにもない。


ふうっと息をつくと、彼に再度視線を落とす。
< 103 / 254 >

この作品をシェア

pagetop