離してなんかやるかよ。

───バンッ

「舞踏会ってお母さんっ!あたし着る服ないしポップなダンスしか踊れないよ~!どうする!?宇佐美柚來!」


ドアが突如勢いよく開いた。


なんだよ。


ドアの方を向くと柚來が。


「ぷはっ」


「そ、颯。何笑ってんの?」


こいつ口元に大量のケチャップついてるんだけど。


すげぇ口紅下手くそに塗ったみてぇ。



「いや別に」


「まあそれはさておきっ!お母さんが舞踏会に行くって電話で言ってたんだけど服ないよね?」


「…まぁ別にお前の母さんが用意してるんじゃね?とりあえず行こうぜ」



頭すげぇ痛いけど。


舞踏会とか1度行ってみてぇし。



そして俺は顔がうるさい柚來と部屋を出た。



「あたしダンスなんかできないよっ!」



じゃあしなきゃいいのに…


別に舞踏会だからってダンスしねぇといけないってルールねぇだろ?



ホテルのロビーに行くと松本と胡桃は手を繋いで直谷と鳳も直谷が若干照れながらも手を繋ぎあってて皆幸せそうだな…。



「あ、柚來。舞踏会行くんでしょ?楽しんでね」


胡桃がニコって柚來に言う。


「楽しくないよ~っ!!踊れないよ!」


さっきから柚來はこればっか。


流行語大賞狙ってんの…?



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