コドモ以上、オトナ未満。
「――また遊びに来てね、ココちゃん」
「はい。おじゃましました」
「じゃあ、岩崎さんを家まで送ってきます」
夜八時を過ぎた頃、千秋さんに別れを告げると先生の運転する車で家まで送ってもらったあたし。
先に帰っていたお父さんが玄関先まで出てきて先生と短い会話を交わし、二人で家の中に入ろうとしたら、最後に先生があたしを呼び止めた。
「岩崎さん、明日の実行委員会の件でちょっと」
あたしがまたポーチを降りて行くと、お父さんは先に家の中に姿を消し、先生はそれを見計らったかのように言った。
「……と、言うのは嘘で。真咲くんのことなのですが」
……真咲のこと?
嘘をつかれたことはちょっと腹立たしいけど、先生がそこまでしてあたしを呼び止める理由ってなんだろう。
いつもの、ただのお節介?
あたしが首を傾げていると、逆に先生からこんな質問をされた。
「本人から、その……何か大事な話を聞いていませんか?」
……なにその漠然とした聞き方。
「……何かじゃこっちもわかりませんけど。まあ、最近あんまり話してないんで、たぶんあたしはそのこと知らないと思いますけどね」
「そうですか……喧嘩でもしたんですか?」
喧嘩……なのかな。
あたしが一方的に無視しているだけといえばそれまでだし……って。
やっぱりいつものお節介じゃん。