コドモ以上、オトナ未満。
「んなことより色々説明するべきことがあるだろーが!」
「お前には特にない」
「はぁ!?」
……この二人は仲が良いのか悪いのか。
こういうやり取りも昔のままで、なんだか懐かしい。
「ココは、これからまだ何か仕事あんの?」
一人喧嘩腰の大森を無視して、真咲があたしに聞く。
「ううん、今日はこれだけ」
「じゃあうちに晩メシ作りに来て? 高校生の頃、弁当作ってもらう夢叶わなったから」
「……そんなことまで覚えてるんだ。いいよ、行く」
あたしはすぐに荷物をまとめて、真咲の手を取った。
そうして仲良く部屋を出て行こうとしたあたしたちに、後方から大森の声が飛んでくる。
「ちょっと待てお前ら! 何すんなり元に戻ってんだよ! もっとこう、積もる話とかないわけ? つーか心矢、お前はもっと俺に嫉妬しろよ!」
積もる話なら、もちろんある。
でも、それは今ここで話すんじゃなくて……
「……賢人、空気読めよな。俺らだって二人きりになれば、もうちょっと久々の再会らしい会話するよ」
……真咲に同意。離れていた間のことは、二人になってからゆっくり話したい。
心の中でそう呟いていると、真咲はさらにこう続けた。
「あと……嫉妬は、したよ、もちろん。でも、俺はお前のことも信じてたから」
真咲がそう言うと、一瞬面喰ったような顔をした大森。
それから急に不機嫌っぽく舌打ちをしたけど、たぶん照れているんだ。