アイドルなんて、なりたくない<font color=
相手は何も答えない。

「優衣、お前!」

洸太が、突っ掛かろうとすると…

【シュ…】

拳が飛んでくる。

洸太は、かじろうて避けたが。

「ふぅん、やるじゃん。誰か知らないけど」

彼は、そう言う。

洸太は腰を抜かして

「お、お、オトコ?」

頭の中がパニックしていた。

彼は、クク…と笑い

「オトコだよ。当たり前でしょ?でも、優衣とそっくりだから、間違えられるんだよな」

と言った。

そこに

「怜!」

向こうから優衣が走って来ている。

「おぅ、お帰りか」

少年が待っていると、息を切らして優衣がやってきた。

「れ、怜、一体…何…なの?」

息を切らしながら優衣が問い掛けると

「メールに打っただろ?約束通りに帰ってきましたって」

怜は、ケロッとしながら答える。

「仕事は?」

「もう出来ないだろ?」

「お父さんやお母さん、それに麻美叔母さんは?こっちに来てるって知っているの?」

優衣が問い掛けると、怜は目を逸らし

「いや、知らない」

と答えた。

優衣は、わなわなと震えながら

「知らないって。あっちは大騒ぎになっているわよ」
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