アイドルなんて、なりたくない<font color=

帰ってきた少年

朝より優衣に

【ぽややぁん】

とされた洸太は、優衣の自宅に向かっていた。

頬は、うっすらと青痣になっている。

朝から、うやむやにされた事をハッキリさせる為だ。

前から疑問に思っていた。

優衣は、秋山レイナの事には、とても詳しい。

シークレット＆ゲリラ的に行なわれたサイン会なども事前に知っていたみたいだし。

それに、レイナの才能を評価していた。

だが、レイナの最高傑作とまで言われている

《魔法少女こももちゃん》

と

《不思議探偵二宮三郎太》

この二作品については認めようともしない。

頑なに否定し続けている。

洸太としては、その時のレイナは優衣のような雰囲気を漂わせているので気に入っているのだが。

白い壁の向こうに門が見えてくる。

よく見ると門の前に誰かが立っている。

Ｔシャツにジーパン、頭には野球帽を被った人物が、門を見つめている。

「あの、道場に何か？」

洸太は、その人物に問い掛ける。

そして、振り向いたその顔に驚いた。

「優衣…」

思わずポロリと出た言葉だが、次の瞬間

「お、お前、何やってんだよ」

と動揺しながら言うが