彼女には感情がなかった
第一章
小学生のころの記憶で、印象に残っていることを記せ。


「子供らしくない」



小学校の二年生の夏休み、祖父母と従姉妹と旅行をした時、旅行から帰ってきて祖母が母に対して私のことをそう言ったそうだ。


母は言われた後、私に対して「子供のくせに変に気を使って子供らしくない。」と言われて“恥ずかしかった”と言って怒った。


その時、何が“恥ずかしかった”のか私は理解できなかったし、未だに何故“恥ずかしかった”からという理由で怒られたのかもわからない。

ただ、恥ずかしかったと言って怒った剣幕に必死になって泣きながら謝ったことは、今でも脳裏に焼き付いている。
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