白い雛鳥

犬猿の仲






「……で、なんでコイツのとこに寄らなきゃいけないんですか」

「仕方ねぇだろ?リィナが俺の弁当が食いたいって言ったんだから」

「グルルル…!」

ヴァンの店の前で二人が睨み合っているのをみてリィナはハァ…と深い溜息をついた

どうもこの二人は仲が頗る悪いらしい

会う度にこうだから本当はこっそり早朝にヴァンの店に行こうと思ってたのだが、目敏いシノに呆気なく捕まり、仕方なく二人で来店した

「いい加減にしないか二人とも。ヴァン、弁当を早くくれないか?」

「んー、前みたいに可愛くオネダリしてくれたらスペシャルな弁当にグレードアップしてやるんだけどなぁー」

「可愛っ!?ヴァンてめぇ調子乗るんじゃねぇぞ!!」

「リィナ。どうする?」

キャンキャン吠える犬はほっといてニヤニヤ笑うヴァンを見てしばし考える

シノの作るご飯も美味しいが、ヴァンの作るご飯は格別だ。朝昼晩毎日食べたいくらいに

…って、これは考える余地もないだろう



< 14 / 58 >

この作品をシェア

pagetop