呪いの着メロ
 翌朝、まだ登校していない三嶋と霧谷の前に康介が登校してきたので、俺は一応、昨日の出来事を話しておいた。話を合わせておいたほうが、今後、やりやすいと思ったからだ。

「あのメールってそういうことだったんだ。それにしても大変だったんだね。霧谷さん、体弱いのかな?」

「さぁな。まぁ、帰るときの足取りは普通だったから心配はないと思うけど」

「そうなんだ。そうそう、僕も昨日、塾で『呪いの着メロ』について面白いこと聞いたよ」

「ホントかよ?」

 結構、研究熱心なのね。お前。

「うん、なんでもそれをダウンロードできる変なメールが出回ってるんだって。URL付のなんだけど、アクセスしてもどこにも繋がらないんだって」

「・・・・・・イタズラじゃないのか? どこからだよ?」

「分かんない。塾の友達は、別の友達からそのメール貰って言うし、その友達もまた別の知り合いから貰っていうしね」

 要するに元々の発信主が不明ってことか。不幸の手紙の一番最初の差出人が誰か分からなくなるようなものだな。

「それで、お前はそのアドレス貰ったの?」

「もちろん。でも、僕の機種でもダメだったよ。あ、パソコンでも無理だったよ」

「・・・・・・無駄かもしれないけど、俺のケータイにも送ってくれ」

「うん、いいよ」

 康介がケータイを取り出して、俺のケータイにその問題のメールを転送した矢先、霧谷が教室に入ってきた。
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