呪いの着メロ
「あ、おはよう、霧谷さん。話聞いたよ。大丈夫なの?」

「えぇ・・・・・・」

 康介の心配顔に、霧谷は相変わらずの無表情で返した。

「そういや、あの本全部読んだのか?」

 俺がそう尋ねると、霧谷はコクンと頷いて、ポツリと呟いた。

「HRの時、話す」

 そういえば、今日HRがある日だったな。ということは三嶋もいたほうがいいわけだ。

「了解」

 俺はそう返事して、康介との作業に戻った。霧谷は、またいつもの様に窓の外をボーっと眺めている。


 そして約10分後、三嶋が賑やかに登校してきてめでたく俺の班は全員集合した。


 一瞬、このメールのことを二人にも話そうかと思ったが、それもHRの時でいいと思った。康介も同じ考えなのだろう、何も話していない様子だった。


 HRの時間は、今日の三限目だ。
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