君がいたから
なぜ、母は泣いているのだろう?

ただ、泣いている母を見つめていた。

「娘と二人にしてくれませんか?」

母の涙が少し収まる頃、母がそういった。

私は、母に気をとられて、他に誰もいないと思っていたので驚いた。

扉の近くに白衣の男性がたっており頷くと部屋からでていった。

母はそれを確認すると、震えるてで私の手を握った。

とても弱々しく、いまにもはなしてしまいそうなほど小さくも見えた。

「あなたに話さないといけないことがあるの」

母は私の目を見てゆっくりとはっきりした声で伝えた。

「あなたは、だんだんと衰弱していく病気なの。半年もすると声が出せなくなるくらい弱くなり…あとは…」

母は何度も謝った。

でも、その言葉は私には届かなかった。

私の頭は、真っ白になりただ私にこれからの未来がわずかしかないのはわかった。
< 13 / 39 >

この作品をシェア

pagetop