青空と天気



「ねぇ、先生。」



先生はきっと私の聞きたいことがわかったんだ。



顔が歪んだ。



「私が延命治療しなかったら、余命何ヶ月?」



先生は俯いてしまった。



「じゃあさ。延命治療したら余命何ヶ月になるの?」



先生は答えてくれない。



「ねぇ先生!答えてよ!!」



叫んでしまった。



VIPルームにあたる部屋だから良かった。



この部屋は防音なんだ。



先生の声がうっすらと、集中してないと聞き逃してしまうほどの大きさで聞こえた。



「延命治療……ってか手術をして、一年。しなかったら………」



先生は一度言葉を切った。



「七ヶ月、だよ」



「……そっか」



今6月だから……来年の1月まで。



先生、ごめんね。



「先生。私手術はしないよ。」



「うん。そんな気がしてた。」



力なく笑う先生。



「ごめん、ね。……あと、時雨たちには言わないで。余命の話は禁止。言わないつもりでいるから」



「……うん。わかった。じゃあ、なんかあったら呼んでね」



そう言って先生はでていった。






ああ、今日は雲が黒いな。



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