駆け抜けた少女-番外編-

次に準備に取りかかったのはご馳走たちだ。


クリスマスと言えば、チキンなのでこれは原田と藤堂と井上に頼んだ。


源さんには説明したし、なんとかなるでしょう。


「ケーキかあ。この時代でケーキなんて作れないよね」

「……聞いたことないので、私にもわかりませんが。甘いものみたいなので、甘いもので代用してみては?」

「そうするしかないですね」








「で、甘いものの代用が大福ですか」



大量に積み上げられた大福の山を見て頬をひきつらせる。



「けえきを聞いて想像してみたら、甘くて白くて丸くてて皆で食べるものだと言ってたから……」


確かに、甘くて白くて丸いけど。



「まるでお月見みたいですね」

「駄目ですか?」


しゅんと落ち込む沖田は、クリスマスケーキを知らないなりに用意してくれた。

だからかなり違うが、これはこれで良いと矢央は笑顔を見せる。



「じゃあ、洗濯物を片付けて部屋中の飾り付けしちゃいましょうか!! あ、山崎さーん、飾り付け手伝ってくださいよ!って、逃げるな!!」

「お、くりすますとやらの準備は進んでいるようだな。どれどれ俺らも手伝おうか歳」

「なんで俺が。寒いから……」

「動けばあったまります!ほら動いた動いた!!」





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