冷徹執事様はCEO!?
「おっと、出過ぎた真似をしてまた不愉快な思いをさせてしまったでしょうか」

「…案外根に持ってるのね」

「滅相もございません」

田中さんはしれっと言ってのける。

絶対嘘だ…。

「そうね折角だから暫く実家にいようかしら」

今は独りでいる気分にどうしてもなれないのは事実だ。

「だから、田中さん暫く世話になるわ」

「こちらこそよろしくお願い致します」

田中さんは折り目正しくお辞儀した。

「あー眠ったらお腹空いちゃった」

私はググっと伸びをする。

「では夕飯の準備を致します」

「シャワー浴びたらダイニングへいくわ」

「畏まりました」といって、田中さんは一礼すると最小限の音しか立てず部屋を出て行った。

美しいけど感情の起伏がないお人形みたいな使用人だこと。
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