冷徹執事様はCEO!?
「お兄様」

うへー匠ちゃんをお兄様なんて、お尻がむず痒い。

リビングには匠ちゃんを含め3人ほどいるようだ。談笑している匠ちゃんに歩み寄った。

「ただいま戻りました」私は楚々と頭を下げる。

「燁子、今日は遅かったな」なんて匠ちゃんも長男らしいところを、ご学友に見せつけてみたりする。

「今日は学校で委員会だったので」

「そうか」匠ちゃんは最もらしく頷いた。

「友人達にも挨拶して」

「次女の燁子です。今日はごゆっくりしていってください」私はぺこりと頭を下げた。

よし、ヘマをせずに済んだ。さっさと帰ろう。

「あれ」友人のうち一人が声を上げる。

「君は、さっきの」

私はぎゃ!と悲鳴を上げそうになるのをなんとか堪えた。

そこにいるのは勝負軒で会ったイケメンのお兄さんだったのだ。私は顔を真っ赤にする。

「リョウ、知り合いか?」

「うん、ちょっとね」リョウ、と呼ばれたお兄さんはクスクス笑っている。

「まさか道端でナンパしたんじゃないよな」もう一人のチャラそうな茶髪のロン毛が言う。

ごめん…匠ちゃん…

「し、失礼します」

顔を強張らせながら、私は足早にリビングから立ち去った。
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