冷徹執事様はCEO!?
「燁子、頭を上げろ。誰もそんな事を思ってない」匠ちゃんは肩に手を置いた。

「そうだよ」航生が同意する。

「一般職で入社して4年、主任に昇格。朝早く出社して、残業せずに退社し近所激安スーパー大丸のタイムセールでお惣菜を買って駅から徒歩15分築30年のマンションへ帰宅。あの燁子が毎日地味で質素な生活を送っていたなんて驚きだ」

「航生…あんたどうして知っているの?」

私がギョッとした表情で尋ねる。

「国家権力使ってるから」と言って航生は花のようにニッコリ微笑んだ。

「国家権力を使ったストーカーじゃない」

私は嫌そうに顔を顰めた。

昔っから何故か航生は私によく懐いていた。

「航生はストーカーするのもスケールがデカイなあ」

そして匠ちゃんは航生には甘い。

「ところで、お父さんは何て言ってたの?」

晴子姉さんに痛い所を刺された。

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