君色〜キミイロ〜
「照れてるとこ見たかったんだよ。」
なんて急に優しい顔して言うのは…反則だよ〜!!
「心配しなくて大丈夫だからね!」
ってにっこり笑うと
私とお揃いのパンダのキーホルダ
ーのついた車の鍵を手にとり
玄関を出た。
―パタン…
橘さんがいなくなったこの部屋は
いきなり寂しさを感じさせた。
橘さんと美咲さんの二人の恋は
複雑にこじれてて……
二人にとっての幸せは何なのか
私にはわからない。
今はリビングに残る橘さんの温もりが恋しいだけ。