君色〜キミイロ〜
「……っ」
美咲さんは私から顔を背け
苦しそうな顔をした。
「…もし…私が本当にツトムのことを…才能とか関係なしで,本当に好きならば…」
―ドキドキドキドキ…
「俺のところに戻ってきて,結婚しよう。…って言ってくれたの…」
「結…婚…」
やっぱりそうだったんだ。
橘さんは美咲さんと
結婚しようとしてたんだ…。
「でも私は,ずっとツトムの所へは行けなかった。」
美咲さんは,また耳に髪をかける。
大きな瞳が露になった。
「私は…実際…広樹に傾いてた…」
そう…だったんだ。
その間,橘さんはどんなに辛かっただろ。