君色〜キミイロ〜


「……っ」


美咲さんは私から顔を背け


苦しそうな顔をした。


「…もし…私が本当にツトムのことを…才能とか関係なしで,本当に好きならば…」


―ドキドキドキドキ…


「俺のところに戻ってきて,結婚しよう。…って言ってくれたの…」


「結…婚…」



やっぱりそうだったんだ。


橘さんは美咲さんと


結婚しようとしてたんだ…。


「でも私は,ずっとツトムの所へは行けなかった。」


美咲さんは,また耳に髪をかける。


大きな瞳が露になった。


「私は…実際…広樹に傾いてた…」

そう…だったんだ。


その間,橘さんはどんなに辛かっただろ。


< 222 / 289 >

この作品をシェア

pagetop