イケメン先生は危険男子でした!?
そして、数十分後。


先生がアランを連れて空家から出てきたのだ。


「アラン!」


アランの姿を見つけてパァッと笑顔になる。


うれしくてすぐに車を出ようとしたけれど、先生の後ろから見知らぬ若い男たちが数人姿を現したので、あたしの笑顔はすぐに消えてしまった。


若い男たちはみんなピアスを開けていて、すごく怖い顔をしている。


なに……?


あの人たち……。


あたしは車の中で身を縮め、その光景を見つめる。


先生はその人たちに何かを言い、しばらく会話をしていると男たちは去って行ってしまった。


「悪い、待たせたな。詩の犬って、こいつ?」


車に戻ってきた先生がアランを見せてそう言ってくる。


「うん……」


あたしは先生からアランを受け取り、腕の中に抱きかかえた。


「じゃ、家まで送るから」


まるで何事もなかったかのようにそう言い、車を発進させる先生。
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