イケメン先生は危険男子でした!?
☆☆☆

先生と猛勉強をした翌日、あたしは小テストを前にしてスラスラとペンを走らせた。


まぁ、昨日どんな問題が出るかわかっちゃたし、当たり前なんだけどね。


誰よりも早く回答を終えたあたしは、右手にある窓からぼんやりと廊下を見ていた。


ドア側の一番前の席は当初嫌いな席だった。


でも、座ってみればいいことも沢山ある。


柳本先生が入ってきてすぐこちらを見ること。


そして「おはよっす、野上」と、あたしにだけ名字をつけて挨拶してくること。


授業の初めには先生があたしの教科書を覗き込み「昨日どこまで進んだっけ?」と、聞いてくる。


その度に先生の爽やかな香水の香りが漂ってきた。


廊下についている汚れを見つめてそんな事を思い出していると、「はい! そこまで!」と、先生がパンッと手を打った。


瞬間、糸が切れたようにクラス中からため息が漏れた。


「テスト用紙は後ろから順番に集めて持って来いよ! すぐに採点して授業中に返却してやるから、それまで自主的に答え合わせやってろ」
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