イケメン先生は危険男子でした!?
その時のカンナは、今のカンナと同じような表情をしていた。


少し寂しそうな、でもしっかりと先の事まで見据えているような顔。


「カンナ」


あたしはカンナの手を握った。


「なに?」


カンナは視線をあたしへ戻す。


「あたしはここにいるから。遠くにいったりしないから」


女友達にこんなことを言われても、嬉しくないかもしれない。


慰めならいらないと怒られるかもしれない。


でも、カンナはそんなあたしに向かって微笑んでくれた。


「ありがとう詩。詩、大好き!」


そう言い、カンナはあたしに抱きつく。


会いたい時に会えないのは辛くて寂しい。


だけど、それは自分が相手を好きだからだ。


相手を好きでいるからこそ、辛さも寂しさも、嬉しさも喜びも感じることができる。


「でも、詩はどうするの?」
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