イケメン先生は危険男子でした!?
あたしは窓の外から悠真へと視線を移動させる。


今日は星も月も雲に隠れていて外からの光が少ないから、悠真が今どんな顔をしているのかよくわからなかった。


「俺と一緒にいると、きっと危険な目にあう」


「でも……今回はあたしが無理を言って一緒に連れて行ってもらったんだよ?」


「確かに今回はそうだった。でも、これから先どうなるかはわからないだろ?」


これから先……?


あたしは悠真の言葉に一瞬頭の中が真っ白になってしまった。


あたしたちのこれから先って……一体なに?


あたしは悠真を脅して付き合っているだけ。


悠真は仕方なくあたしの隣にいるだけ……。


このままこの関係を続けていくの?


あたしは、本当に悠真にとって特別になれるの?


先が……見えない。


今日の曇り空のように、一歩踏み出せばそこには暗闇が続いているだけだった。


「詩? 詩、家についたぞ?」
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