イケメン先生は危険男子でした!?
「やべ……送ってく」


そう言って起き上がろうとする先生を、あたしは慌ててベッドへと戻した。


「なに言っているのこんな体で運転なんてできないでしょ」


「でも、お前……」


「大丈夫。今日はちゃんと外泊の許可をもらっているんだから」


あたしがそう説明すると、先生はホッとしたように「そっか」と、呟いた。


「お腹すいてない?」


「あぁ……少し」


「じゃあ、おかゆ作るから待ってて」


そう言い、立ちあがって台所へ向かおうとするあたしの手を、先生が掴んだ。


「詩……」


「なに?」


「今日はずっとここにいてくれるの?」


少し甘えたような口調に、ドキッとする。


先生、熱が出ているからきっと弱気になっているんだ。
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