イケメン先生は危険男子でした!?
☆☆☆

一時限目の授業は国語だった。


国語の先生は50代のおじさんで、中年太りだ。


紺色のスーツは何年も前に買ったものみたいで、今ではボタンがとまらないくらいお腹が出ている。


汗をふきながら懸命に授業を進める先生の言葉を聞き流しながら、あたしは柳本先生の顔を思い出していた。


今日、なんの話があるんだろう。


やっぱり昨日のことを言われるのかな?


黒龍の総長でもある柳本先生を怒らせたとなると、ただじゃすまないかもしれない。


そう思い、あたしは1人で頭を抱える。


どうしよう。


誠心誠意謝れば許してくれるかな?


ううん、ダメだ。


謝った程度で許してもらえるなんて、到底思えない。


安岡君と杉田君に怒鳴っていた時の先生は、素直に話を聞いてくれるようにも見えなかった。


あぁ本当に……どうしたらいいの……。
< 58 / 309 >

この作品をシェア

pagetop