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「ミオと会う約束してきた」


私が一時リビングにいる間この部屋で待機していたリックに言った。


「たぶん、ミオは全部知ってると思う」


私がそう言うと、リックは少し不安そうな表情を浮かべた。


けれど私は彼よりも冷静でいられた。


親友としてミオと一緒にいた時間はとても少なかったしその関係は表面的なものだったけれど、その短い時間と薄っぺらい関係があったからこそわかることもあった。


ミオは自分から報告することはまずない。


私があの3人を殺したことを彼女が警察に言えば、学校生活での様子が浮き彫りになるからだ。


そうなればミオだって、この事件を招く原因を作った人物の1人としての扱いを受けることになる。


ミオは慎重に動くタイプだから衝動的に行動を起こすことはない。


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