届かなくても、

ずっと

蛍side
急いで行かなくてはならないのに



通称仮面女に呼び止められた。



内容は明らかに俺の行動を邪魔しようとしているものだった。



話だけなら。



少しだけ、きーさんに待っててもらおう。



そう思って迂闊に



「Yes」と言ってしまったのが間違いだった。




バタバタと走る音が聞こえた。



嫌な予感は、していたのだ。




下駄箱に行くと、修也たちが目を丸くしていて



俺を見るなり、




涼は目つきが鋭くなり



夢叶は生気のこもっていない目でじっと俺を見て



姫は悲しそうに俺を見て



修也は真正面から俺を睨みつけた。



俺はやっと状況を理解した。
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