俺様社長に捕らわれて
そして、ボーッとしている美優の唇を、親指で拭った。
「大丈夫?」
「っ…はい…」
「何?」
顔を真っ赤にした美優に対して洋輔は、逃さないと言うかのように、おでことおでこをくっつけ、話し掛けた。
そんな洋輔の態度に、美優は恥ずかしくなり、更に顔を真っ赤にさせるのであった。
「よ、洋輔さん。近いです。は、離れて下さい」
「ダメ。やっと美優を自分の物に出来るんだ。嬉しい俺の気持ちもわかってくれないか?」
「けど…」
「少しずつ、馴れていくさ」
「っ……洋輔さんはなんで平気なんですか?……やっぱりそれだけ経験があるってことですよね…」
そう言った美優の表情は暗く、悲しいものであった。