その光を、追いかけて。
「仁葉ー、お昼にしましょう」
お弁当を片手に仁葉の机のそばにやって来た梓ちゃんに、仁葉はうん! と頷く。
「今日はね、おやつにカップケーキを焼いて来たのよ。
仁葉、この前食べたいって言ってたでしょう?」
「わ、本当に⁈ 嬉しい!」
「チョコと紅茶とバニラにしてみたの」
「きゃー、梓ちゃん大好きーっ」
ぎゅうっと抱きついた。
仁葉が座ったままなせいで梓ちゃんの胸が顔に当たってちょっぴり切なくなる。
いいの、別に。
胸が小さいこと、仁葉は気にしてないから。
静かに離れて自分の胸をそっと押さえた仁葉を、梓ちゃんが不思議そうに見つめていた。