その光を、追いかけて。




あーん、とクレープを口に含む。

まだ温かい生地に、ふわふわのホイップ。

カスタードと苺が絡み合ってとっても美味しい。



「ん〜っ」



日陰になっているベンチに座ったまま、頬に手を当てて、思わずにこにこ。

仁葉は幸せに浸る。



「仁葉、美味しい?」

「うん!」



例のごとく、一口交換をする仁葉と梓ちゃん。

その様子を見て、冷めた表情をしているのは、



「輝くんも一口食べる?」



一緒に遊びに来た輝くん。



「食わねぇよ」

「そう? 美味しいよ?」

「お前、俺を女子と同じ扱いで考えるのやめろよな……」



えー、どういうことだろう。



梓ちゃんは大好きな友だちで。

輝くんも大好きな友だちで。



なにも違わないんだから、扱いが同じでも変じゃないよね?






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