その光を、追いかけて。










ねぇ、光ちゃん。

今、仁葉ね、光ちゃんがいないのに楽しい夏を過ごしているの。



夏が、愛おしいの。



あつい太陽も。

眩しい日差しも。

溢れる笑い声も。



あの頃みたいに、みんな……。

みんな、愛おしくてたまらないんだ。






梓ちゃんと笑う時間。

輝くんと歩く時間。



光ちゃんは知るはずもない、新しい仁葉の大切なものなんだ。






光ちゃんママからの電話は、胸が騒いで。

鼓動が早くなって、どうしようもなかった。






光ちゃん。

きっと、もうすぐだね。



もうすぐ君に、仁葉の笑顔をもう1度見せつける時がくるね。



大丈夫だよ。

……大丈夫な、はずだから。



仁葉はこんなに強くなったんだよって、今までで1番の笑顔を浮かべてみせるから。









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