その光を、追いかけて。










なぁ、仁葉。

前へ進むのって怖いよな。



俺も、柚季とのことを過去のことにしてしまうのは、怖かった。



大切なものを失ってしまう気がしてたんだ。



だけど、……もう進もう。



失ったことを、悲しんで。

息ができないくらい、苦しんで。



そのままの仁葉で、1歩目をどうか。



どうか、一緒に歩んで欲しい。



泣きながら。

惜しみながら。



俺と、仕方がないから梓も一緒に。

みんなで手を繋ぎたいんだよ。






……駆けなくたっていいんだ。



前も、後ろも、見つめながら少しずつ。

泣いて、笑って。



────────前へ。









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