雨音はショパンの調べ
よく降るな……雨。


数本目の煙草に、ゆっくり火を灯し、また溜め息をつく。


最後に、君を泣かせた。

それを責めるように。


雨が降るたび、あの日。
奏でられてたショパンの調べを思い出した。


雨が降るたび、眠れぬ夜を過ごした。



止めようと思ってた煙草なのに止められず、日毎に本数が増えた。


「体に悪いわよ」って、君の声が聞こえてきそうだな。



煙るように降る雨が、銀色に光ってる。


声もあげずに泣いてた君の頬に光る涙の雫。


拭ってやることもできなかったんだ……あの日。


君の涙が、あまりにも哀しくて……。


君の頬に落ちる涙が、真珠のように眩しくて


君の顔を思い出しながら、携帯の窓を開く、君のアドレスを探してみる。



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