イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―


恋人であって友達であって弟でもある祥太の、可愛い笑顔……のハズなのに。
今は、好きなハズの祥太の無神経な笑顔にイラっとくる。

だって、最新の浮気履歴は二週間前だ。たったの二週間前。
泣きそうな顔で、捨てないでって書いてあるような目で必死に土下座してきたあの日からまだ二週間しか経っていないって言うのに、この変わり様……。

毎度のごとく本当に反省してるの?!と、胸倉掴んで問いただしたくなる気持ちをぐっと抑え込んだ。

ついでに、あの土下座した日以来初めて会うっていうのに風間を入れて三人ってっ!という、祥太からのメールを見た時からふつふつと感じていた文句もぐぐぐっと抑えた。

昨日の事がある以上、私が言えた事じゃないんだからと自分に言い聞かせる。

「今日上司に怒られたから実を言うと落ち込んだりもしてたんだけど、実莉と風間に会えて吹っ飛んだ。
来てくれてありがとな」

浮気した私には何も言えない……とは思うのだけど。
昨日風間と一晩過ごして私は祥太と同じラインに立ったハズなのに………こうも祥太に対して何も変わらないのはなんでだろう。

浮気したのをお互い様だと許す気持ちにもならなければ、祥太の友達でもある風間となんて……というような罪悪感も祥太に対してないのは自分でも驚きだった。
風間と関係を持つ前も持った後も、祥太に対して本当に何一つ変わらない。

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