義兄(あに)と悪魔と私
説明会は視聴覚室で行われた。
各クラスの委員は固まって座るようにと言われたので、仕方なく比呂くんの隣に座る。
(モヤモヤする……)
妙に心が晴れなかった。
比呂くんに普通に真面目なことを言われて、正直驚いていた。
しかし、思えばもともと彼のイメージはこんな感じだったような気がする。
「さっきから、変だよ?」
説明会の最中、私の様子を不審に思った比呂くんが耳元で言った。
「べ、別に……何も」
「じゃあ、ちゃんと聞いとけよ。俺達はクラスに帰って皆に説明しないといけないんだからさ」
「……ごめん」
私は前を向く。
ちょうど自由行動の説明をしているところだった。
やっぱり、真面目だ。
責任感があって、みんなが嫌がることも進んでやる。いい人。
それが、比呂くん。本来の彼だ。
もしかしたら、私の選択が、比呂くんを変えてしまったのかもしれない。
(違う……)
そうだとしても、選んだのは彼だ。
私のせいじゃない。
そう自分に言い聞かせるけれど、何故か心は苦しくなった。