【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「う……あの、立花くんは…保健室に、」
こんなとき、隣に立花くんがいたら。
きっと、またわたしの方を見て、他人事のようにニヤニヤと笑ってるんだろうなあ。
ってそう考えたら、なんだか無性にその顔が見たくなった。
……そうだ、わたし立花くんに会って、話さなきゃ。
伊武くんにも、せっかく教えてもらったんだ。
……違う。
"会わなきゃ。話さなきゃ。"
こんなのは、口実。
本当はただ、わたしが、今すぐ、立花くんに、会いたいの。
「……先生! わたし、保健室に行ってきますっ」
気づいたら、そう言葉を発して走り出していた。
ほぼ、夢中だった。
「お!? おおおおい!? 成田も体調不良か〜!? どこまで仲いいんだお前ら!」
ゴリちゃん先生は戸惑いながらも、わたしを止めることはなかったので、そのまま教室を出る。
さっきせっかく走ってきたのに、また走って教室を出ることになるなんて……。