【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
も、もしかして痛いとこ入っちゃったかな…!?
恐る恐る上を見上げる。
すると───
目に飛び込んできたのは、あまりにも意外な光景で。
「……」
わたしは、思わず言葉を失ってしまった。
だって、あの、いつも意地悪な笑みを浮かべてて。
いつもむかつくくらい冷静な、あの立花くんが。
なぜか、少しだけ、赤くなってるんだもん。
「……あ、あの、」
「……あほ」
あ、あほ!?
と、短くそれだけいうと。
顔を隠すように手で覆って、そのままどこかへ行ってしまう。
でもわたしは、その場からしばらく動けなかった。
だって、初めて見る、立花くんのあんな顔。
いや! もしかして、見間違いだったのかな?
そ、その可能性もある……。
でも、見間違いだったとしても。
なんかさっきの立花くん、ちょっとおかしかった…気が、する。
"なにが"とは言えないけど。
「もう……なんなの、」
なんで、わたしがこんな立花くんのことを考えなきゃいけないの!
でもでも、やっぱり気になっちゃうんだもん。
やっぱりさっきのあの反応は───
"照れてた"?